2017 年はアンリアル エンジン技術にとって歴史に残るといっても過言ではない年でした。スタイルやチーム規模を問わず、ゲーム、映画、建築ビジュアライゼーション、製造業まで幅広い分野において世界中の UE4 デベロッパー コミュニティから生み出された数々の革新的なコンテンツが数々の受賞を果たしました。
エピック ゲームズの創設者兼 CEO である Tim Sweeney はつい先日、エピックの北米ライセンスのヘッド Joe Kreiner、アンリアル エンジン コミュニティマネージャー Amanda Bott による 2017 年最後のライブストリームに加わり 1 年間を振り返りました。その模様は以下の動画をご覧ください。
さて、2017 年も残りわずかとなりました。今消費者向けリアルタイム エンターテイメント、さらには作業用リアルタイム制作の未来に続くアンリアル エンジン デベロッパー達の活躍ぶりを紹介させていただきます。
AR / VR で変革の嵐
2017 年は AR / VR 分野で大変革が起こった年でした。大変革の中心にいたのは、最先端を行く世界中のアーティスト達です。彼らがアンリアル エンジンを見事に使いこなして、斬新でワクワクする方法でプロジェクトに命を吹き込んだのです。
アンリアルを使用することでデベロッパー達は 2017 年の VR のビジョンを一気に広げました。Impulse Gear の Farpoint、Survios 制作 Raw Data 、Rocksteady の Batman Arkham VR などは見事に受賞を果たしてミリオンセラー作品となりました。
一方、Apple は WWDC 開催中に アンリアル エンジン エディタの VR Mode を使用したスターウォーズのデモ を使って Mac 上で VR を公開しました。一方、Zayden の『Wish』 など、Make-A-Wish Foundation から 「Most Innovative Wish of the Year」賞を受賞したプロジェクトもありました。
エピックのデベロッパーとして我々は、高い評価を受けた 『Robo Recall』 を無料提供し (mod もフルサポート)、SIGGRAPH 史上最もフォトリアルな体験となった ミケランジェロのダビデ像 で VR デビューを飾りました。また、イベント大好きな常連の方々は Ghost Paintで遊ぶことで自分の中に潜んでいるアーティストの一面を存武にさらし出すことができたことでしょう。
さらに 2017 年は AR も大躍進を遂げました。アンリアルはメディアの進化をゆるぎないものにする ハイエンドな AR 体験に一役買ったのです。 Directive Games 制作の 『The Machines』 は Apple の WWDC でデビューを飾った後に Apple が選出する『Best of 2017』を受賞しましたし、 『Planetrism』 のような可能性を一杯秘めたプロジェクトは、どんなに小さなチームでも UE4 を活用すれば見事なコンテンツが作成できるこを実証しました。
もちろんこれは 2017 年における AR / VR 分野での活躍のほんの一部にすぎません。興味をお持ちの方は、ブログの AR / VR の記事を是非ご一読ください。
ゲームの先に続く未来 - Datasmith、映画、そしてテレビ制作へ-
アンリアル エンジンのルーツはゲームにしっかり根付いていますが、ついに 2017 年、映画、テレビ、建築のリアルタイム制作のパワーハウスとしても頭角を現しました。
『The Human Race』 はデモの革新的な部分が評価されて受賞を果たし、『Rogue One:Secrets of the Empire』や 『The Void’s Star Wars:Secrets of the Empire』などはその完成版で「超現実」体験を映し出すことに大成功を収めました。アンリアル エンジンが今後のエンターテイメント分野に影響を及ぼすことは疑いもないでしょう。
アンリアルがリアルタイム制作にもたらした変化についてご興味をお持ちの方は、是非こちらの 白書をご覧ください。
Unreal Datasmith プラグインは、建築デザインおよびビジュアライゼーション用データをアンリアル エンジンに簡単に移すためにデザインされたワークフロー ツールボックスです。現在ベータ版ですが、ベータ版ユーザー企業の多くから既に称賛の声が寄せられています。Datasmith のリアルタイムのデザインプロセスの合理化は完璧な結果を生み出し、そして生産パイプラインに革命を起こしつつあります。
インディー勢も大活躍
アンリアル エンジンを使うインディー達にとっても画期的な年でした。彼らのプロジェクトもまた、ゲーム業界で最も革新的で面白い作品として注目されました。
我々を魅了したアンリアル採用インディーによるタイトルをいくつかご紹介します。 『The Occupation』White Paper Games 制作、 『The Artful Escape』Beethoven & Dinosaur 制作、 『Planet Alpha』Adrien Lazar 制作、 『Oceanhorn 2』Cornfox & Bros.制作、 『Hello Neighbor』Dynamic Pixels 制作、 『The Siege and the Sandfox』Cardboard Sword 制作、 『A Way Out』Hazelight 制作、 『』AshenAurora 44 制作、 『』Deep Rock GalacticGhost Ship Game 制作、 『The Darwin Project』Scavengers Studio 制作、 『RiME』Tequila Works 制作、 『Disc Jam』High Horse Entertainment 制作、 『Rite of Ilk』Turtle Neck Studios 制作、 『Raji:An Ancient Epic』Nodding Heads Games 制作、 『Gunheart』Drifter Entertainment 制作、 『Planet of the Apes:Last Frontier』The Imaginati Studios 制作、 『Ruiner』REIKON GAMES 制作、 『Seven:The Days Long Gone』Fool’s Theory 制作、 『>observer』Bloober Team 制作、 『The Long Journey Home』Daedalic Entertainment 制作、 『Redout』34BigThing 制作、 『Aven Colony』Mothership Entertainment 制作、 『Snake Pass』Sumo Digital 制作、 『All Walls Must Fall』inbetween Games 制作、 『Perception』The Deep End Games 制作、 『Vampyr』Dontnod Entertainment 制作、 『Wartile』Playwood Project 制作。
アンリアルから生み出された、すべてのインディーゲームを誇りに思います。これらの傑作が来年店頭に並ぶのが本当に待ち遠しいです。素晴らしい UE4 プロジェクトはこれだけではありません。
2017 ベストセラー入りしたアンリアル タイトル
2017 年のベストセラー タイトルに、もちろんアンリアル エンジン デベロッパーの作品もあります。 『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』、 『Farpoint』、エピックゲームズの 『Fortnite』、 『Rocket League』、 『ARK:Survival Evolved』、 『XCOM 2:War of the Chosen』、 『Batman:Arkham VR』、 『TEKKEN 7』、 『Street Fighter V』、 『Marvel vs.Capcom:Infinite』 、 『Raw Data』です。本当に嬉しいです、おめでとうございます!
そして、トップティアのデベロッパーが期待度の高いアンリアル エンジン採用タイトルもたくさんあります。以下のタイトルは、世界中のゲーマーが待ち望んでいたシリーズ性と斬新な体験の融合に成功したタイトルです。 『Dragon Ball Fighterz』、 『Days Gone』、 『Sea of Thieves』、 『SOULCALIBUR VI』、 『Kingdom Hearts III』、 『Crackdown 3』 、そして新作 『Yoshi title on Nintendo Switch』です。
2018 年以降も大いに期待しましょう!
GDC 2017
今年もまた、エピック ゲームズ創設者であり CEO を務める Tim Sweeney が様々なニュースと発表を携えて、2017 Game Developers Conference のオープニング セッション「State of Unreal」に登壇しました。
Sweeney と一緒にセッションを進行したのは、ゲーム、映画、そして自動車業界のリーダーでもあるエピック CTO の Kim Libreri です。彼らは、アンリアル エンジンに備わっているオンスクリーンでの最終的なピクセルのリアルタイム処理という優れたデジタル コンテンツ作成能力を使って、世界中のクリエイターが夢を実現しているということを語りました。
そして、エピックの将来のビジョンを説明するにあたり、ゲーム、VR/AR、アニメーション、リアルタイム レンダリング、ビジュアライゼーションの可能性を再検討すべく、注目度の高いプロジェクト シリーズを発表しました。2017 年 GDC でのエピックによるプレゼンの一部始終は こちらでご覧いただけます。今すぐチェックしましょう!
E3
2017 Electronic Entertainment Expo には 90 ものアンリアル採用プロジェクトが 登場しました。 期待度が高く、一緒に遊んで楽しめる、そしてとにかく美しいこれらのゲームをアンリアル デベロッパー達が世界最大の舞台で紹介しました。
Xbox ブースの大画面に映し出された 『Sea of Thieves』 (Rare 制作) から、PlayStation ブースの知る人ぞ知る PSVR 版 『Moss』 (Polyarc 制作) や Devolver Digital がパブリッシュを担当した 『Absolver』 (Sloclap 制作)まで、 まさに 3 歩あるけば話題沸騰のゲームが次々と目の中に飛び込んでくる状態でした。
アンリアル エンジン デベロッパー達がひときわ注目を集めました。本当に嬉しかったです。要点のまとめ、動画に収めたインタビュー、Unreal E3 Awards のハイライトはすべて こちらからご覧いただけます。
The Game Awards
昨年 12 月の頭、 The Game Awards がロサンゼルスで開催され、世界中から集まったゲーム関係者達が、創造性および技術面で今年最も優秀と認められた作品を称え、また来年はどんな作品が登場するのか期待に胸を膨まして盛り上がりました。
見事に受賞を果たした Ninja Theory の 『Hellblade:Senua’s Sacrifice』や、輝かしいデビューを飾った Bandai Namco の 『SOULCALIBUR VI』 など、世界中から集結したアンリアル エンジン デベロッパー達があちらこちらに絶えず登場していました。
大盛り上がりの様子をぜひ こちら のブログでお楽しみください。
世界中のイベントでアンリアルが引っ張りだこ
アンリアル エンジン採用のプロジェクトは、E3、GDC、The Game Awards で圧倒的な存在感を見せつけましたが、 Gamescom、 PSX、 Indie MEGABOOTH at PAX West、 EGX Rezzed (2018 年も 再び協賛することになっています!) など世界中のメジャーなイベントで大人気でした。
もちろん、来年以降も素晴らしいアンリアル エンジン採用タイトルに期待しています!
成功を作り出す
「皆さんの成功、それが私達の成功です」 - みなさんがどこかで見たり聞いたりしたことのあるフレーズです。エピックはこの哲学に基づいて、アンリアル デベロッパーの成功を支援する各種プログラムを提供し続けています。
つい最近では、 アンリアル エンジン デベロッパー数が400 万人を突破したことを発表いたしました。
2017 年、エピックによる Unreal Dev Grant プログラムでは、 『Planet Alpha』, 『Maelstrom』 and 『Tiny Metal』 などの作品が返済義務のない資金を獲得し、新しく開設した NVIDIA Edge Program ではハイエンド GPU を用いて驚くべきビジュアルを実現したチームおよび個人に報酬が贈られました。
エピック ゲームズと Wellcome は、50 万ドルの賞金をめぐり 1 年間にわたり開催される欧州デベロッパー向けゲーム制作コンテスト Developing Beyond を開始しました。
また、 Epic MegaJam への提出作品数は過去最多の 270 にのぼり、700 名を超えるデベロッパー達が創意に溢れる作品を携えてイベントに参加しました。
さらには、Intel および Green Man Gaming と提携して、様々なタイトルとその制作に関わったチームに注目する Unreal Engine hub をプロデュースしました。
ショーケースでは、 『Morgan Lives in a Rocket House』(Peter Monga 制作)、 『Dauntless』(Phoenix Lab 制作)、 『Absolver』(Sloclap 制作)、 『Hellblade』(Ninja Theory 制作) などの 優秀な作品をいくつか取り上げて詳しく紹介しています (詳細はぜひ こちらをご覧ください)。
一方、European Community Manager である Jess Hider による「インディー向け」シリーズのブログ記事では、 マーケティング、 パブリック スピーキング、 展示会 のコツ、そして Xbox などのプラットフォームでゲームをパブリッシュする ためのベストプラクティスなど、役立つトピックスを取り上げて実用的な助言をしています。
2018 年、エピックはこれらのプログラムをさらに改善および拡大してデベロッパーの成功をコミットします。エピックおよびアンリアル コミュニティにみなさんの作品にとても興味があります。いつもながらのお願いですが、ハッシュタグ #UE4 を使ってぜひ Twitter に投稿をお願いします!
4 回のメジャーリリースで大幅改善
エピックは今年、アンリアル エンジン 4.15 から 4.18 へ合計 4 回のメジャーリリースを行い、1000 を超える機能の改善や拡張、アップデートや修正を世界中のデベロッパー達に提供しました。簡単にまとめてみました。
バージョン 4.15 (2 月リリース): Nintendo Switch のサポート、テクスチャ ストリーミングの改善、ブループリントの C++ へのクック処理、C++ コンパイルの高速化など。
バージョン 4.16 (3 月リリース): GDC で披露したエキサイティングなレンダリングとアニメーションの新機能、モバイル / コンソール プラットフォームに対する大幅なパフォーマンス改善、すべての主要プラットフォームにおける数多くの QOL 改善など。
バージョン 4.17 (8 月リリース): シーケンサーの大幅な機能拡張、新しい Composure 合成システム、Xbox One X のサポートなど。
バージョン 4.18 (10 月リリース): レンダリング機能、物理の編集、メディア フレームワーク、拡張現実、プラットフォーム レベルのサポートなど。また、4.18 では エピックが開発した『Fortnite:Battle Royale』 を使って、パフォーマンス、メモリ、ワークフローの最適化をデベロッパー コミュニティに直接提供しました。
我々はすでに UE 4.19 に全力で取り組んでいます。いち早くみなさんに最新リリース版の改善点をお届けしてくてうずうずしています。AR に対するサポートや物理およびアニメーションのワークフローがさらに改善され、モバイルも機能拡張される予定です。
まとめ
世界中のアンリアル エンジン デベロッパーにとって 2017 年は最高の年となりました。今後も技術は進歩し、素晴らしいコンテンツが生み出されると思うとワクワクしてきます。
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来年もどうぞよろしくお願いします!