Gearbox Software 社は、見違えるほどのグラフィックとプレイ環境で、SF シューティング ゲーム Borderlands を進化させました。このゲームは、その開発に常に Unreal Engine 3 が使用されており、2009年の年末リリースが決定して以降、十分な時間をかけて昨年開発されました。この開発期間は、チームのグラフィック部門にとって大きな機会となりました。
「この小さなグラフィック チームが、ゲームのコンセプト グラフィック スタイルのレンダリングを主導しました」と、Gearbox Software の社長 Randy Pitchford 氏は語ります。「すごく格好いいコンセプト カーを見たことがありますか?コンセプト カーというのは常に魅力的ですが、そのまま運転できることはありません。コンセプト カーが生産段階になると必ず、かなりの変更が加えられ、格好いい部分がなくなってしまいます。当社のグラフィック担当者も、コンセプト グラフィックをそのままゲームで再現できないか、と自問したと思います。そしてそれが実現したのです」
そのプロトタイプは、Gearbox 社とパブリッシャー 2K Games の経営陣を驚かせました。Pitchford 氏は、ゲームのスクリーンショットを見ると、実際に 3D でリアルタイムに動いている場面を見たくなる、と語ります。そして動いている画面を見ると、実際にコントローラーを使って自分でそのゲームの世界を歩いてみたくなるのです。
「レンダリングしたいマテリアルを処理できる高度な機能を多数搭載した Unreal Engine 3 は、グラフィックの作成にとってすばらしいプラットフォームです」と Pitchford 氏は言います。「その拡張性もすばらしく、 当社のエンジニアは、エンジンのレンダリング機能を追加/拡張して、この特徴的なグラフィックに必要だった光や影の変化を可能にしました。この変更後も、Unreal Engine 3 のコード ベースとの互換性を維持することができ、Gearbox 社内や、継続的に技術革新を行っている Epic Games からアップグレードがあった際は、それを適用することができます」
Gearbox のプログラマーはグラフィック担当者と協力し、コンテンツに使用してこれまで見たことのないような Borderlands のグラフィックを実現するためのレンダリング テクニックを追加しました。Pitchford 氏は、UE3 は、技術的な柔軟性だけではなく、優秀なグラフィック担当者、デザイナー、エンジニアの能力を引き出すクリエイティブな柔軟性も持っている、と絶賛します。また続けて、Borderlands のチームは Epic の自社作品 Gears of War 2 における進化もフル活用している、と語ります。
「Gears of War 2 の成功とその品質によって、当社も非常に大きな技術的な恩恵を受けています」と Pitchford 氏は語ります。「当社ではこれを利用して、Borderlands が PlayStation 3、Xbox 360、PC のいずれのシステムでも高速で実行できるようにしました。しかし、ゲームの外見だけではすべては伝わりません。プレイ環境もすばらしく、その完成度は、優秀なスタッフが優秀なツールを活用した結果と言えます」
また Borderlands のチームは、ゲーム内で、無数の異なる武器をプロセスによって個々に生成する人工知能 (AI) の開発を支援するため、UE3 を使用してデータ中心型システムを開発しました。この Gear Builder システムと AI は、各種システムに悪影響を与えたり、Epic Games からのエンジン アップデートやその他のソフトウェアの統合に問題を発生させたりすることなく、Gearbox が UE3 上にスムーズに統合することができた新技術です。
その結果として生まれたこのゲームでは、これまでに体験したことのないようなグラフィックやプレイ環境を実現しています。Pitchford 氏は、Borderlands をひと目見れば、見たことのあるような、それでいて斬新なそのグラフィックの作成に、Gearbox が UE3 の技術を使用したことがわかると述べています。
Gearbox Software の優秀なスタッフが Unreal Engine 3 のツールを活用してそのイマジネーションを形にした Borderlands の開発は、非常に充実した、めったに体験できないような価値のある経験だった、と Pitchford 氏は結んでいます。要するにこのゲームは、創造力と技術力のパーフェクトな融合の結果と言えるでしょう。