これまではコミック以外で見ることのできなかった DC Universe の世界が、今開かれようとしています。Warner Bros. Interactive Entertainment、Eidos、Rocksteady Studios は、映画「The Dark Knight」の大ヒットに続き、Batman: Arkham Asylum (PC、Xbox 360、PlayStation 3) を、Unreal Engine 3 を使用して開発しています。
「私達は、技術とは目的を達成するための方法だと常に認識しているため、PS3 と Xbox 360 のゲームの開発に移行すると同時にミドルウェアに切り替えました」と、Rocksteady のディレクター兼オーナーの Sefton Hill 氏は語ります。
「市場で手に入るさまざまな選択肢を検討した結果、2 つの理由から、Unreal Engine 3 がベスト チョイスだと判断しました。1 つ目の理由は、グラフィック担当者とデザイナーが使用するクリエイティブ ツールが優秀だということです。2 つ目は、当社と考え方が似ているゲーム開発会社の視点でツールがデザインされている、という点です。この視点とは、クリエイティブな作業を担当するスタッフに良い環境を与えて、その創造力を最大限発揮してすばらしい結果を出せるようにする、というものです。これを知った時点で、Epic が開発した Unreal は、Rocksteady の今後の要求にも継続して対応するものだと強く確信しました」
ゲームの開発は 40 名のチームでスタートしましたが、そのメンバーの多くは、各種のゲーム コンセプト構想の段階から UE3 を使用していました。開発チームはその後、60 名にまで拡大しました。ゲームの完成時、最終的な開発期間は、プリプロダクションとポストプロダクションを含めて合計 21 か月となりました。
「Unreal を使用したおかげで、開発初日からゲームプレイ自体に着手できました」と Hill 氏は語ります。「独自の技術を開発する場合、ゲーム開発担当チームは、技術担当チームがツールを完成させるまで、開発作業の開始を待たなければならないことがよくあります。このため、2 年間もゲーム開発が行われていても、ゲームプレイ自体の開発に費やされているのは 1 年間にも満たない場合があります」
Hill 氏は、クリエイティブな作業を担当するスタッフがその能力を発揮できなくなってしまう技術的なハードルは、UE3 のツールが取り払ってくれると確信しています。また、UE3 のツールはパワフルで汎用性が高いため、ゲーム開発には、エンジンのプログラマーだけではなく、グラフィック担当者やデザイナーの能力とイマジネーションがそのまま反映されると語ります。
「これによって、エンジン担当チームのクリエイティブな能力も最大限に引き出されます。当社のエンジン担当チームのメンバーの何名かは、Epic をも驚かせるようなツールの使用方法を発見しました」と Hill 氏は語ります。
UE3 を使用するメリットには、これがクロスプラットフォームの相互運用能力を備えているという点もあります。Hill 氏は、各プラットフォームには、本質的にそれぞれ固有の要件があるため、クロスプラットフォームでは、それに合わせて最高の結果を出すようにコンテンツを調整することが重要であると説明します。また加えて、UE3 を使用することによって、3 つすべてのプラットフォームを非常に簡単かつ高速に起動して使用することができるとも語ります。
「当社では Epic と非常に友好な関係を築いていますが、Epic のスタッフは言葉で言い尽くせないほど優秀です。このようにパワフルな技術を開発し、Unreal Developer Network を通じて丁寧なサポートを提供しているだけでなく、オフィスを訪れた際はとても温かく迎えてくれました。この上さらに、Epic 自身ですばらしいゲームの数々を開発できるとは、本当に脱帽です」と Hill 氏は絶賛しています。
Rocksteady のチームは、UE3 の技術を駆使して、バットマンのダークな世界を鮮やかに表現しました。
「この世界は多様性にあふれています。私達は、脈々と流れるバットマンの DNA を引き継ぐゲームの世界を構築することを目標としました。このゲームの焦点を Arkham Island に絞ったのは、プレイしながらこの世界の歴史を体感してもらうためです」と Hill 氏は説明します。
「当社の最終的な目標は、プレイして楽しい正統派のバットマン ゲームの制作というシンプルなものでした」と Hill 氏は語ります。