An industrialized urban scene in UE5-powered video game ‘Samson’.

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2026年2月24日

ゲーム開発に無駄を排除したアプローチを採用:Liquid Swords が Samson に UE5 を選んだ理由

Chaos 破壊

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2020 年に創設され、スウェーデンのストックホルムを拠点とする Liquid Swords は、業界のベテランであり、率直な発信をする X ユーザーでもある Christofer Sundberg 氏によって設立されたビデオ ゲーム スタジオです。 Sundberg 氏は Avalanche Studios の創設者であり、Just Cause シリーズのクリエイターとして知られています。
ストックホルムを拠点とする Liquid Swords は、ゲーム開発の素晴らしさの根源に立ち返りたいという思いから創設されたスタジオで、ゲーム業界のベテラン、Christofer Sundberg 氏が率いています。Sundberg 氏は、Avalanche Studios の創設者であり、人気シリーズ Just Cause の生みの親として広く知られています。

興味深いことに、Sundberg 氏と新たに結成されたチームが最初のタイトルの制作に着手した際、ゲーム デザインと開発に対する哲学的なアプローチが中心的な役割を果たしました。多くの新興スタジオが自分たちが「どのような存在であるか」をアピールしようとする中、このスタジオとそのデビュー作である、骨太なオープンワールド アクション ゲームSamson は、むしろ、自分たちが「どのような存在でないか」に焦点を当てており、無駄なもののない、実直でごまかしのない作品となっています。実際、Liquid Swords は、クリエイティビティを重視し、気を散らす不要な要素のない、最高のゲーム開発に専念できるスタジオを作るという理念を掲げています。

では、この理念はどのように実践に反映されているのでしょうか?また、ゲームとスタジオ自体の両方のビジョンを実現するために、チームが Unreal Engine 5 を選んだ理由とはどのようなものでしょうか?先日、創設者兼クリエイティブ ディレクターの Sundberg 氏とテクニカル ディレクターの Fredrik Lönn 氏にお話を伺いました。

本日はよろしくお願いいたします!新しいスタジオである Liquid Swords のモットーは「無駄を一切省いたビデオ ゲーム開発」ですが、このモットーの意味についてお聞かせください。

                        
創設者兼クリエイティブ ディレクター、Christofer Sundberg 氏:つまり、無駄を一切排除するということです。
                        
Liquid Swords では、見せかけだけの機能や PowerPoint スライドのためのコンテンツは一切提供しませんし、トレンドを追うこともありません。ゲームの中で存在する価値のある要素だけを制作します。すべてのシステムに役割があり、すべてのメカニクスに重みがあります。プレイヤーに緊張感、力強さ、結果を感じさせない要素は、ゲームに採用しません。
                        
無駄を一切排除するアプローチは、尊重の表れなのです。プレイヤーの時間を尊重し、チームの技術を尊重し、そしてゲームそのものを尊重しているのです。Liquid Swords のリリース作品は少数ですが、どれも強烈なインパクトをもたらす作品です。
 

                    
Samson の概要と、スタジオの開発理念がどのようにこのプロジェクトに反映されているかについて教えてください。

                        
Sundberg 氏:Samson は、長い間悪が支配する街、ティンダルストンを舞台にした、地に足のついたキャラクター主導型アクション アドベンチャーです。プレイヤーは、元用心棒兼逃走ドライバーの Samson McCray となり、莫大な借金を返済するため故郷に戻ります。セントルイスでの強盗が完全に失敗に終わった後、姉の Oonagh が犯罪者グループと取引し、Samson と Oonagh の命は助かりました。ただし、この取引の条件は Samson が借金を利子付きで返済することでした。
                        
この理念は随所に反映されています。本作は緊迫感がみなぎり、集中力を要し、プレッシャーがかかるゲームです。終わりのないグラインドもありませんし、チェックリスト型オープン ワールドでもありません。プレイヤーは目を覚ますと借金を抱え、時計は刻一刻と過ぎていきます。プレイヤーがどんな感情であろうと、街は一顧だにしません。
                        
一つ一つのパンチ、クラッシュ、選択が重要です。ワールドが反応し、システムが連鎖し結果が積み重なります。Liquid Swords にとって、これこそが無駄を削ぎ落したプレイアブルなデザインなのです。
 
                        

Samson を開発するにあたりインスピレーションを得た映画、テレビ番組、ゲームはありますか?

                        
Sundberg 氏:地に足のついた犯罪ものやキャラクターを重視したストーリーからインスピレーションを受けました。
                        
ヒート、フレンチ・コネクション、RONIN、ボーダーラインといった映画です。どれも暴力にスピード感があり、邪悪で、決定的な要素となるストーリーです。緊張感が 5 秒ごとの爆発ではなく、選択から生まれます。    
                        
ゲームにおいては、プレイヤーの主体性と雰囲気を尊重する作品を参考にしています。具体的には Mafia、Max Payne、The Last of Us、そして Disco Elysium といった作品ですね。結果とアイデンティティの扱い方について参考にしました。参考にしたのは、プレイ スタイルが同じであるからではなく、これらの作品がそれぞれの世界観に真剣に向き合っているからです。
                        
共通している要素は抑制です。何かが起これば、抑制が意味を持ちます。
Image courtesy of Liquid Swords AB

デビュー作の開発に着手した際、エンジンに求めたのはどのような特性ですか?

                        
テクニカル ディレクター、Fredrik Lönn 氏:私たちが求めていた基準は次のようなものです。
  • ターゲット プラットフォームへのサポート実績があること。確実にリリースできるからです。
  • 高品質な AA/AAA ゲームのリリース実績があること。問題解決において、参照可能な前例があります。
  • ソース コードへのフル アクセスが可能であること。エンジンを調整し、開発中のゲームに必要な機能を追加できます。
  • ワークフローの最適化およびカスタマイズが可能で、コンテンツ クリエイターが効率的に作業できること。
  • 高パフォーマンスであること。必要なコンテンツをすべて実装することができます。
  • 引き続き積極的に開発が進められていること。将来に向けた基盤を構築することができます。
  • 信頼できる企業がエンジンを所有していること。ゲームの開発期間とライフサイクル全体を通じた継続的なサポートが確実に提供されます。
 


Samson に Unreal Engine 5 を選んだ理由を教えてください。

                                 
Lönn 氏:Unreal Engine は、Epic Games 自身によるフォートナイトの開発だけでなく、世界中のスタジオが Unreal Engine で素晴らしいゲームをリリースしていることからも、高品質な AAA エンジンとしての実力が実証されています。Epic Games は Unreal Engine のオープン ワールド開発機能を強化し続けており、デベロッパーは、ソース コードに完全にアクセスできます。さらに、Unreal Engine は他のソフトウェアやパイプラインとの統合にも優れています。
 


開発中に最も印象に残った Unreal Engine 5 の機能は何ですか?また、その理由を教えてください。

                                 
Lönn 氏:ツールのサポートですね。ツールセットの拡張とカスタマイズがとても簡単にできる点が特に優れていました。外部のアート ツールをテストする必要があるときでも、そのツールが常に Unreal Engine と統合されているので、すぐに実際のテストを実行できました。カスタム エンジンであれば、統合に 1 か月を費やしてようやく、そのワークフローが最適であることに気付くことになったと思います。
                                 
本作専用のバリデータとカスタム ツールを多数構築しました。これにより、コンテンツ クリエイターはゲームに何かを追加した瞬間に、問題があることをすぐに把握できます。テストの大部分を自動化し、オープン ワールド環境ではデバッグが困難なエラーを迅速に検出できるようにカスタム デバッガを多数追加しました。
                                 
Unreal Insights もとても気に入っています。とても使いやすく、どんどん進化しているからです。Unreal Insights を使えば、すべてのコアと GPU 全体の実際の状況を把握できます。プロファイリングを行うと、個々のフレームのパフォーマンスが良好であるにもかかわらず、スレッド間の依存関係、ロック、ワーカー スレッドのオーバーサブスクリプションなどがボトルネックになっていることがよくあります。 

Unreal Insights を使うと、数フレームだけでなく、ゲームプレイのセクション全体を記録できるため、他の方法ではきわめて困難だった多くのヒッチを見つけ、解消するのに非常に役立っています。Unreal Insights の活用により、ヒッチを最小限に抑え、スムーズなゲーム体験を提供できるようになりました。
Image courtesy of Liquid Swords AB

Samson は、プレイヤーが管理できる Action Points (アクション ポイント)、Law Response (警察の対応)、Daily Debt Quota (毎日の借金返済ノルマ) など、独自のメカニクスを備えていますね。これらのメカニクスが組み合わさることで、全体的なゲーム体験にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

                        
Sundberg 氏:これらのメカニクスは、プレッシャーを生み出します。本物のプレッシャーです。
                        
アクション ポイントは 1 日に実行できる行動の内容を制限し、借金はプレイヤーが必ず遂行すべき行動を示します。警察の対応と取り立て屋は、プレイヤーが行動を実行する方法に対して罰を与えます。これらが相まって、難しい決断を迫ります。
                        
危険な仕事を請け負って手っ取り早く現金を得て、追われる身になるか?安全策をとって借金を滞納するか?帰宅すべきときに、もう一戦挑むか?
                        
完璧な道などありません。常に安全とスピード、コントロールと力を天秤にかけます。その緊張感こそがこのゲームの本質なのです。プレイヤーは、緊張を演じているのではありません。自分の拳で緊張をコントロールしているのです。これこそが Samson の醍醐味です。
                        
ティンダルストンでの 1 日は、リスクと報酬管理の過酷な 1 実践レッスンに相当します。ノックアウトされれば、稼いだ金をすべて失う恐れがあります。その重圧で、あらゆる決断がリアルな重みを帯びます。毎日さまざまな仕事が用意されていますが、どの仕事を受けるかだけでなく、どの順番で挑むかも、複数の要素によって左右されます。
                        
たとえば、強力な新特典が 1 日 3 回ランダムに出現します。これらの特典はゲームプレイを劇的に変化させます。車両系の仕事の報酬が 2 倍になったり、一時的に強力な防御力バフが付与されたり、ノックアウトされても苦労して稼いだ金をすべて保持できるというめったにないチャンスもあります。
                        
ある日、車両系の仕事の報酬が夜間に 2 倍になることに気づいたら、普段はカー チェイスが得意でなくても、挑戦してみるかもしれません。ただし、前日の戦闘で車がすでにボロボロになっており、ニトロ ブースト タンクが空っぽだったらどうでしょうか?修理と補充に金がかかり、毎日の成果と借金返済に充てられる金額に直接影響します。
                        
では、安全策をとって一番自信のある仕事だけを受けますか?あるいは、その日の特典から最大限の価値を引き出すために賭けに出るでしょうか?アクション ポイントがまだ残っていたとしても、ティンダルストンは 1 つの誤った判断で深刻なトラブルに巻き込まれる可能性があります。また、ハイリスクな仕事に失敗して 1 日の稼ぎをすべて失う恐れもあります。
                        
以上を踏まえて、あなたは仕事を終えて、帰宅し、ソファに倒れ込み、進捗状況を確定させますか?それとも、運試しに、その日に得られるできる限りの成果を得るため、もう少し外で戦いますか?

本作では、プレイヤーが動き回り、探索する過酷かつ骨太で、荒々しく、没入感あふれる街ティンダルストンが描かれていますね。この街とオープン ワールドの各地区を作成するために、どの UE5 ツールを使用したのでしょうか?                    

                        
Lönn 氏:この街には、建物を PackedLevelActors (PLA) に配置する、1 つの大きな World Partition レベルを使用しています。PLA により、広大なワールドで作業する際のエディタのパフォーマンスが格段に向上します。
                        
プレイヤーが立ち入ることができる建物はレベル インスタンスとして作成され、屋内は別のストリーミング レイヤーに配置されます。屋内を別のレイヤーに分離することで、街中を高速で走行しているときに屋内データのストリーミングを回避できます。
                        
静的ジオメトリのストリーミングには、FastGeo Streaming プラグインのカスタマイズ バージョンを使用しています。このプラグインは基本的に、静的ジオメトリから UObject を削除します。これにより、静的データのストリーミング速度が大幅に向上し、アセット作成をワーカー スレッドに移行し、シーン内のオブジェクト数を削減できるため、ガベージ コレクション時間の短縮につながります。
                        
道路と歩道は、プロシージャル コンテンツ生成 (PCG) フレームワークと ZoneGraph をベースに構築されたカスタム ツールを使用して作成されています。ZoneGraph は、交通網の高レベルなトポロジを提供します。私たちは ZoneGraph を UI での経路の可視化や、一般市民や交通状況の生成に活用しています。また、指名手配され、追跡される状況においては、警察も ZoneGraph を使用します。
                        
破壊シーンの設定には、Chaos Destruction を使用しています。レンダリング面では、Nanite、Lumen、仮想シャドウ マップを使用しています。
 


Unreal Engine 5 のライティング、マテリアル、環境ツールは、ゲームのダークで独特なビジュアル アート スタイルを実現するうえでどのように役立ったのでしょうか?

                        
Lönn 氏:早い段階で、動的ライティング モデル、つまり Lumen を使用することを決めました。エディタ内でリアルタイムのグローバル イルミネーション ライティングを実行し、即座に最終品質の結果を確認できることで、アーティストのイテレーション作業を迅速に進めることができます。結局のところ、すべては、目指す結果を明確に理解している優秀なアーティストたちのひたむきな努力と、数多くのイテレーションの積み重ねにかかっています。
Image courtesy of Liquid Swords AB

本作の戦闘メカニクスでは、プレイヤーの勢い、テレイン、そして即席の道具さえも活用してダメージを与えますね。戦闘の臨場感をうまく創出するために、どの UE5 ツールを活用されたのでしょうか?

                        
Lönn 氏:目指しているのは、戦術的なボクシングというより、荒っぽい酒場の乱闘のような体験です。身動きがとれない状況に陥った感覚を再現し、その場その場で対応しながら脱出する状況を作り出したいと考えています。戦闘は即興性を促すように設計されており、固定コンボではなく、臨機応変に動ける動きが用意されています。戦闘を計画するためのツールはありますが、計画する場合でも反応が必要です。
                        
移動、攻撃、防御の各アクションに加えて、武器も使用できます。戦闘中にあなたの動きが予測可能になりすぎると敵が察知するため、次の動きを先読みされないように、戦術を切り替えましょう。スペースを作り、パンチをかわしたりブロックしたりして、再び突撃してダメージを与えましょう。背後を警戒し、移動し続けましょう。さもないと敵は四方八方から押し寄せます。包囲されたら、その群集を逆手にとって利用しましょう。人を投げ飛ばしたり、倒したり、互いに邪魔をしたりするのです。さまざまな動きのタイミングとリズムを学び、その知識を駆使して生き残りましょう。
                        
戦闘空間は重要です。整然とした部屋に踏み込み、完全に破壊して立ち去ることもできますし、部屋の一部を封鎖したり、少なくとも到達困難にしたり、破壊して新たなエリアを開けることもできます。そのような混乱を引き起こしている場合は、その混乱を利用できる仕組みがあります。壊れた物体は武器になります。瓦礫は敵の動きを鈍らせ、場合によっては、倒すことさえできます。ワールド全体を使って、敵に深刻なダメージを与えることができる仕組みを構築しています。
                        
近接戦闘では、Unreal Engine のアニメーション システムとツールを基盤に、高度に複雑な戦闘システムを構築しました。これにより、適切なアニメーションの選択、モーフィング、同期、ブレンドが可能になります。戦闘感覚は、使用するアニメーションとそのタイミングに大きく左右されます。ヒット リアクション アニメーションも、感覚をつかむうえで実際のヒットと同じくらい重要であり、もちろんサウンドも重要です。最もよく使っているツールは Rewind Debugger だと思います。これを使うと、アニメーターが戦闘動作を記録し、最終ポーズを構成するすべてのカーブをシングルステップで追跡できます。
Image courtesy of Liquid Swords AB

Samson の車は移動手段としてだけでなく、武器としても使用できますね。ゲームプレイでの車両の具体的な活用方法と、車両のリアリティを高めるために UE5 をどのように活用したのか教えてください。

                        
Lönn 氏:Samson は熟練の仕事請負人であり、機転が利く男で、任務を遂行するためには手段を選びません。ダイ・ハードの John McClane のように、窮地に追い込まれ、緊迫した状況下では、周囲のものを使って臨機応変に危機を切り抜ける必要があります。たとえ自分の車を敵の車にぶつけることになっても、危機を切り抜けなければなりません。
                        
私たちのコアの車両パイプラインは、Chaos Vehicles を基盤として構築されています。これは City Sample デモで使用されていたものと同様に、C++ コードを多用しておりブループリントの活用は少なくなっています。すべての走行は物理ベースで、リアルな感覚を実現しています。フレームレートが変化してもシミュレーションのタイムステップが一定になるように、物理演算は非同期で実行されます。
                        
Unreal 5.7 の標準搭載のハンドリング モデルと Chaos Physics を使用し、各車両の物理設定には、実世界のデータを適宜適用することで、本物らしさと重量感を保ちつつ、それぞれの乗り心地を維持しています。車両での戦闘動作には物理インパルスが追加され、最適な感覚を得るために多くの調整が行われています。車両チームはマッドマックスとレイジ 2 の車両開発に携わっており、長年の経験から得た知識を Samson の車両体験に活かしました。ただし、車両体験はティンダルストンに広がる有機的で狭小な街路に合わせて最適化されています。
                        
車両は、あらゆるレベルのプレイヤーが運転を楽しめるように調整されており、各車両が異なる運転体験を提供します。ただし、プレイヤーはタイヤの限界まで車両が追い込まれた際には、詳細な探索と慣性への対応を迫られます。
                        
とはいえ、ベース モデルに独自の機能をいくつか実装することで、独自のハンドリング DNA を確立しました。たとえば、カウンターステア モデルを開発し、プレイヤーがドリフト時に必要に応じて勢いをコントロールできるようにしました。これにより、重量移動の感覚を損なうことなく、車の動きを巧みに制御できるようになりました。
                        
このアプローチはカー バトルにも適用されており、衝突時の車両の相対速度と質量によってダメージが決まります。また、車両はただ破壊されるわけではありません。実際の車両と同様に、車両もパーツで構成されており、各パーツが故障することで車両の挙動が変化し、時には致命的な結果を招くことがあります。タイヤが破裂してグリップが低下したり、ホイールが損傷してステアリングがずれたり完全に外れたりして、高速で回転しながらクラッシュすることもあります。
Image courtesy of Liquid Swords AB

Samson のキャラクター アニメーションについてお聞かせください。また、UE5 がどのように、瞬間ごとの自然で滑らかなアニメーションを実現するうえで役立ったのでしょうか?

                        
Lönn 氏:リアルなキャラクターを作るには、非常に多くの要素が関わっています。
                        
MetaHuman リグを使用し、ほぼすべてのアニメーションをモーション キャプチャで作成しました。アニメーターは主に MotionBuilder で作業し、データを効率的に Unreal Engine に取り込むためのカスタム パイプラインを開発しました。
                        
Unreal Engine では、アニメーション ブループリントでステート マシンを構築し、アニメーションの選択は主にモーション マッチングを使用して行っています。
                        
近接戦闘では、物理的なカオス、迫力のある残忍なアニメーション、動き、そして反応の良いキャラクター コントロールをうまく組み合わせることを目指しました。そこで、タイミングの調整、アニメーションの再生方法の選択と制御、そして物理演算がこれらすべてとどのように相互作用するかを選択、制御できるように設計されたカスタム戦闘システムを構築しました。 

このシステムにより、たとえば単一の攻撃で、制御されたキャラクターの移動から開始し、その後フレームの途中で、ヒットとリアクションの両方において意図したアクションに最適なアニメーションを見つけ、滑らかに移動させることで、質感のある見栄えの良いパンチを実現できます。その後、武器、破片、車両などの物理演算による相互作用に反応します。そこから即座に別のアクションに移行し、場合によっては周囲のオブジェクトをサンプリングしてプレイヤーにインタラクションの機会を提供します。
                        
このシステムは、ランタイム時に応答時間、移動距離、アライメント角度、アニメーション タイミングなど、数多くの要素のバランスを調整しています。また、NPC の敵もプレイヤーと同じシステムを使用しています。これにより、さまざまな方法で組み合わせて使用できる多様なアクションを構築できます。この技術により、プレイヤーは流動的で反応性が高く、予測不可能な戦闘を柔軟に体験できます。
Image courtesy of Liquid Swords AB

UE5 の機能の中で、分野横断的なワークフローに最も大きな影響を及ぼしたのはどの機能ですか?そういった機能は、開発プロセス全体を通して、イテレーション時間の短縮、チームのコラボレーションの向上、制作コストの削減にどのように役立ったのでしょうか?

                        
Lönn 氏:UE5 の特定の機能のみが最も大きく影響したとは考えていません。Unreal Engine は、素早いプロトタイプやモックアップの作成に非常に優れています。デザイナーはアイデアを素早く実装でき、チームは実装した要素に対して試行錯誤を重ねてから、プロダクション品質のシステムに組み込むことができます。                    

Unreal Engine を使用するゲーム デザイナーが、コードによって作業を妨げられることはほとんどありません。ゲーム デザイナーはブループリントで必要な機能を実装することでその障害を解消し、その後、時間ができた段階で再検討し、ブループリントのまま残すべき部分とシステム化すべきものを判断します。私は、通常、ブループリントは設定用、C++ はシステム用として開発するべきだと考えていますが、この柔軟性によって障害が軽減されます。
                        
アート制作についても同様で、エンジンでいくつかのコンセプトを実装し、ペイントオーバーでさまざまなアイデアを素早くテストすることができました。
 


チームはどのような最適化アプローチを採用したのですか?また、UE5 の特定の機能は、最適なパフォーマンスの確保にどのように役立ったのでしょうか?

                        
Lönn 氏:Unreal Engine の Gauntlet Automation Framework を使用して、継続的に実行される自動パフォーマンス テストを実施しています。パフォーマンス データは CSV 形式でレポートされ、PerfReport ツールを使用して HTML に変換されます。
                        
さらに独自のカスタム メトリクス システムで主要なパフォーマンス データを報告しています。具体的には、ゲーム内の特定地点でスポーンされるキャラクターや車両の数などです。また、エディタの起動時間など、ツールのメトリクスも記録しています。
                        
ビルド ステータスの概要はオフィス内のスクリーンに表示されるため、チームの誰もがオフィスに入るとすぐに確認できます。そして、毎週パフォーマンス ミーティングを開催し、メトリクスを詳細に分析し、進捗に必要なアクションを決定し、前週のアクションをフォローアップします。このミーティングには主要な関係者全員が出席するため、タスクの優先順位を即座に決定できます。
                        
もちろん、Unreal Insights を使用してビルドのプロファイリングを行います。私は週 1 回以上プロファイリングを行っていますが、通常は、毎日実行しています。プロファイルを確認することは、ビルドの実際の状態を把握する優れた方法です。頻繁に実施すると、フレームがどのように見えるか把握できるようになり、新たな問題が発生した際 (必ず発生します) に即座に気づくことができます。
Image courtesy of Liquid Swords AB

UE のソース コードへのアクセスは、デバッグ、エンジンの修正、パフォーマンスの最適化といった作業において、チームの作業効率をどのように向上させたのでしょうか?

                        
Lönn 氏:ソース コードへのアクセスは不可欠です。ソース コードにアクセスできなければ、本作を開発することはできませんでした。Unreal Engine はプラグインによるエンジン拡張を強力にサポートしていますが、エンジン自体に変更を加えなければならない場面が必ず発生します。エンジンにバグがあり、次のアップデートまでに修正しなければならない場合もあります。そしてソース コードへのアクセスこそが、システムの仕組みの詳細を把握する唯一の方法なのです。
 


チームは開発を通して、UE のドキュメント、Epic Developer Community、Epic Pro Support、Fab などのエコシステムを活用されたのでしょうか?

                        
Lönn 氏:はい、すべて活用しました。ドキュメントは常に参照しています。これは優れた出発点であり、Unreal Engine は実際にかなり充実したドキュメントを備えています。また、先ほども述べたように、ソース コードにアクセスできるので、ドキュメントが不足している場合や不十分な場合があっても、詳しく調査することができます。

Epic Pro Support は優れたサポートを提供してくださり、エンジンのバグや制限事項に遭遇した際に専門家からのフィードバックを提供してくれました。UDN を検索することで、多くの問題を解決できました。
                        
テクスチャ ライブラリは、Quixel テクスチャをベースにしています。Fab からカスタマイズしたモデルもいくつか使用していますが、ゲーム内のアセットの 1% 未満ですね。Unreal Engine で非常に効率的なアセット パイプラインを構築することで、必要なアセットを独自に作成し、ゲームのスタイルに完璧に適合させることができました。キャラクターには MetaHuman リグを使用しています。
 
                

本日はお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。Samson の詳細について知りたい場合は、どこで確認できますか?

                        
Sundberg 氏:ありがとうございます!Samson の最新情報を入手するには、当スタジオのソーシャル メディア チャンネルをフォローしてください。Steam ページまたは Epic Games Store で、スクリーンショット、動画、開発チームのブログをご覧ください。発表トレーラーをご覧いただき、本作の公式サイトにアクセスし、Epic Games Store でウィッシュリストにぜひ追加してください。

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