UE5 で開発したゲーム「NTE: Neverness to Everness」の「Beyond the Rails」で浮遊するオブジェクト。

インタビュー

2026年4月27日

UE5 で PC、PlayStation 5、モバイル向けに NTE: Neverness to Everness の都市型オープン ワールドを構築する

Hotta Studio

Lumen

Nanite

Neverness to Everness

PCG

RPG

Unreal Insights

World Partition

ゲーム

モバイル

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HOTTA STUDIO は以前、グローバルにリリースされたオープン ワールドゲーム Tower of Fantasy (幻塔) を手がけました。「Tower of Fantasy (幻塔)」は、アニメ調のライトな SF アート スタイルを特徴としており、Unreal Engine で開発され、世界中のプレイヤーに充実した多様なオープン ワールド ゲーム体験を提供しています。
Tower of Fantasy (幻塔) の成功を受け、HOTTA STUDIO は、単に新作ゲームを開発するだけでなく、プレイヤーにこれまでにない没入感あふれる体験で限界を押し広げたいと考えていました。最新作 NTE: Neverness to Everness は、超常異象 (アノマリー) と日常が交差する現代的な巨大都市ヘテロシティを舞台にした、都市型オープン ワールド RPG です。 

HOTTA STUDIO は目標を実現するために、引き続き Unreal Engine を採用し、UE4 から UE5 へとアップグレード。Lumen、Nanite、プロシージャル コンテンツ生成 (PCG)、World Partition といった最新機能を活用しました。その結果、プレイヤーがカスタマイズされたスポーツ カーでネオンが輝く街を駆け抜け、超常異象を調査し、白熱した戦闘を繰り広げる、活気に満ちた広大なワールドが誕生しました。

PC、PlayStation 5 からモバイルまで、NTE: Neverness to Everness は、プレイヤーがどのプラットフォームでプレイしても遜色のない、美しいグラフィックを体験できます。では、HOTTA STUDIO はどのようにして UE5 のあらゆる機能を活用して目標を達成したのでしょうか? 

HOTTA STUDIO のプロデューサー兼代表である Kee Zhang 氏に詳細を伺いました。

本日はお時間をいただきありがとうございます!まず、NTE: Neverness to Everness の概要について簡単にご説明いただけますか? 


HOTTA STUDIO のプロデューサー兼代表 Kee 氏: NTE: Neverness to Everness は、都市型オープン ワールド ジャンルに対する HOTTA STUDIO の新しいアプローチです。ゲームの舞台は、異象 (アノマリー) と日常生活が交差する現代都市ヘテロシティです。プレイヤーは「鑑定士」となり、ヘテロシティで発生する超常異象を解決するアノマリー ハンターとして活躍します。私たちは、不動産の購入や店舗経営といった自由度の高い都市生活と、アニメ シリーズのような軽快なストーリー展開を融合させることで、プレイヤーにこれまでにない没入感を提供することを目指しています。
UE5 で開発したゲーム「NTE: Neverness to Everness」の都市の建物。
Courtesy of HOTTA STUDIO

ディープな都市探索からアドレナリン全開の超常現象との激しい戦闘まで、NTE: Neverness to Everness はプレイヤーに多彩なゲームプレイを提供していると思いますが、プレイヤーが本作に期待できることについて、もう少し詳しく教えていただけますか? 


Kee 氏: 私たちの目標は、生き生きとした都市を構築することです。プレイヤーは、自分の好みに合わせてカスタマイズしたスポーツ カーでネオンが輝く街を駆け抜けたり、さまざまなファストフード店やコンビニに立ち寄ってインタラクションを楽しんだりできます。戦闘に関しては、エスパー システムが中核となります。各キャラクターは、重力、時間、影を操るなど独自のアビリティを備えています。これらのアビリティは戦闘のためだけのものではありません。都市環境とも物理的に相互作用するため、探索やパズル解きがダイナミックでリアクティブな体験になります。
UE5 で開発したゲーム「NTE: Neverness to Everness」に登場する、スポーツ カーに乗ったアニメスタイルのキャラクター。
Courtesy of HOTTA STUDIO

スタジオのデビュー作 Tower of Fantasy (幻塔) を Unreal Engine 4 で開発した後に、NTE: Neverness to Everness でも Unreal Engine を引き続き使用し、Unreal Engine 5 にアップグレードすることを選択した理由を教えてください。 


Kee 氏:私たちは中国で Unreal Engine をいち早く導入したチームの 1 つで、長期にわたってこの技術に関する詳細な専門知識を培ってきました。Unreal Engine が業界をリードするエンジンであるのには理由があります。それは常に限界を押し広げ続けているからであり、UE5 はそれを体現している完璧な例といえます。Lumen、Nanite、仮想シャドウ マップ (VSM)、PCG、World Partition などはまさに画期的な機能で、一から作成することなく、ワールドクラスの体験を構築するためのツールを提供してくれます。チームがすでにこのエンジンを使いこなしていることと、UE5 で実現可能になった内容を組み合わせて考慮した結果、NTE: Neverness to Everness には UE5 が最適な選択肢となりました。
 
 

Unreal Engine 5 の機能は、チームが広大で活気に満ちたオープン ワールドを制作するうえで、どのように役立ったのでしょうか? 


Kee 氏:UE5 の World Partition のおかげで、広大でシームレスなワールドを簡単に作成できるようになりました。また、PCG システムのおかげで、建物や植生を素早く配置してワールドを作成することができました。Mass システムにより、NPC や車両がたくさん配置された大規模なシーンを処理し、Lumen では、膨大な手動設定を必要とすることなく、完全にダイナミックなグローバル イルミネーションと反射で素晴らしい映像美を実現することができました。これらのシステムを組み合わせることで、チームが煩雑な作業に追われることなく、真に広大なものを構築することができました。
UE5 ゲーム「NTE: Neverness to Everness」の都市の広がりを俯瞰した画像。
Courtesy of HOTTA STUDIO

NTE: Neverness to Everness のアート スタイルについて教えてください。何からインスピレーションを得たのでしょうか?また、Unreal Engine はインスピレーションをリアルタイムで実現するうえでどのように役立ったのでしょうか?


Kee 氏:私たちは、様式化された超現実的な現代都市のビジュアルを追求しています。インスピレーションの源は、Tower of Fantasy (幻塔)2.0 制作時の主要なマップであるミラーリアの開発経験です。ミラーリアは、私たちにとって、大規模なサイバーパンク都市の開発への初めての挑戦でしたが、プレイヤーの皆さんからきわめて好評でした。
 
 

NTE: Neverness to Everness の環境のライティングは見事ですね。Unreal Engine でどのようなライティング ソリューションを使用したのか、また、そのライティング ソリューションがアーティストの作業にどのように役立ったのか教えていただけますか? 


Kee 氏: 間接照明の基盤として、Lumen、スカイ ライト、環境反射を使用しています。これらが、カラー ブリーディング (色のにじみ) やアンビエント反射を生み出しています。シャープなシャドウを表現するために、カスケード シャドウ マップ、距離フィールド シャドウ、スクリーン空間シャドウを組み合わせて使用し、キー ライトやフィル ライトで、くっきりとしたシルエットから、ハードからソフトへの滑らかな遷移まで、あらゆる要素を完璧に表現しています。 

ボリュメトリックに関しては、ボリュメトリック クラウド、フォグ、ライト シャドウを使用して、天候や大規模な大気変化を管理しています。さらに、距離フィールド アンビエント オクルージョン、コンタクト シャドウ、ローカル フィル ライト、ライト マップ、ポストプロセス処理を重ね合わせて、詳細と全体的な外観を調整しています。 

このワークフローの真髄は、WYSIWYG エディタ環境にあります。アーティストは最終的な結果を正確に確認し、リアルタイムに変更を加え、エディタ内で驚くほど迅速にイテレーションを行うことができます。
UE5 で開発されたゲーム「NTE: Neverness to Everness」に登場する、街並みを一望できるペントハウス。
Courtesy of HOTTA STUDIO

個性豊かなキャラクターと、彼らのユニークなエスパー アビリティ (能力) について教えてください。また、エスパー サイクルというメカニクスを構築するうえで、Unreal Engine のどの機能が中心的な役割を果たしましたか? 


Kee 氏:エスパー サイクルというメカニクスこそが、キャラクターの組み合わせに奥深さと意義を与えている中核となっています。各キャラクターは、オープン ワールドでの探索や戦闘において、エスパー サイクルの一環として機能する、それぞれ独自のアビリティを備えています。たとえば、愛すべきエイボンの女店主ホトリは、オープン ワールドの時間を止めたり、戦闘で敵をフリーズさせたりすることができます。一方、彼女自身と、エスパー サイクルで彼女が発動させたレーベンシュタムの花は、彼女のアビリティの影響を受けません。 

また、スキアは自身の影に溶け込むことができ、車両の下や障害物をすり抜け、敵の側面を突いて戦闘で優位に立つことができます。さらに、ナナリは反重力を駆使して垂直な地形を平地のように移動し、戦闘では高低差や空中での位置取りを活かして、決定的な一撃を繰り出します。

タイムストップ エフェクト、モーション ブラー、リアルタイム ライティング調整、フレーム フリーズといった UE5 の機能は、これらのアビリティを実現するために必要な強固な技術基盤を提供してくれました。
UE5 ゲーム「NTE: Neverness to Everness」の戦闘アニメーション。
Courtesy of HOTTA STUDIO

NTE: Neverness to Everness のアニメーションについて教えてください。また UE5 がアニメーションを実現するうえで、どのように役立ったかについてもお聞かせいただけますか?  


Kee 氏:NTE: Neverness to Everness のアニメーションでは、象徴性と感情表現を重視しています。絶対的な物理的リアリズムを追求するのではなく、視覚的な緊張感とキャラクターのカリスマ性を極限まで高めることを目指しています。

戦闘アニメーションでは、輪郭とシルエットに重点を置いています。私たちのデザインでは、キャラクターのシルエットは、一時停止されているときでさえ、どのフレームにおいても鮮明で、認識しやすい状態を保っています。また、複雑な重なりやオクルージョン (遮蔽) は意図的に避けています。動きは、感情とパワーの両方を増幅させるために、十分に誇張してデザインされています。

技術面では、UE5 のアニメーション テンプレートとアニメーション レイヤーを基盤として使用しています。モーション ワープ、モーション マッチング、状況に応じたアニメーションといったエンジンネイティブの機能を統合することで、堅牢なアニメーション アセット構成パイプラインを構築しました。これにより、NTE: Neverness to Everness のアニメーション制作における開発効率が大幅に向上しました。
UE5 で開発されたゲーム「NTE: Neverness to Everness」の様式化された紫色のライティング
Courtesy of HOTTA STUDIO

UE5 の機能が開発プロセスにおいて、イテレーション時間の短縮や制作コストの削減にどのように役立ったか、具体的な例を 1 つ挙げてください。可能であれば、その効果を数値で説明していただけますか? 


Kee 氏:NTE: Neverness to Everness は、建物や植生が密集した都市型オープン ワールドです。至る所に建物や植生があるため、それらをすべて手作業で更新し、一貫性を維持するのは、悪夢のように大変な作業となるでしょう。そこで、UE5 の PCG システムを活用し、データ ロジックに基づいたビジュアルノードベースのアプローチで、植生、道路網、都市の建物を生成する自動化パイプラインを構築しました。手作業では数日かかっていたシーンの更新やイテレーション サイクルが、今ではほんのわずかな時間で完了できるようになりました。これにより、ワールドの試行錯誤や改良を迅速に行えるようになりました。
 
 

NTE: Neverness to Everness は PC、PlayStation 5、モバイル向けにリリースされますね。複数のプラットフォームでゲームを最適化するために特に活用した UE5 のツールや機能はありますか? 


Kee 氏:UE5 のクロスプラットフォーム アーキテクチャは非常に優れています。その中核を成すのは、OS に依存しない効率的なマルチスレッド タスク スケジューリング システムです。このシステムはマルチスレッド レンダリング、非同期リソース ロード、物理といった機能をサポートしています。スケーラビリティに優れており、動作させるハードウェアの種類を問わず、最大限のパフォーマンスを引き出すことができます。最適化においては、Unreal Insights が不可欠なツールとなっています。Unreal Insights を使用することで、デベロッパーは、あらゆるプラットフォームで、CPU、GPU、メモリなどのボトルネックを迅速かつ正確に特定できます。すべてのプラットフォームで動作する強力なプロファイリング ツールが 1 つあることで、大幅な時間短縮につながっています。
 
 

PC、PlayStation 5、モバイルといったクロスプラットフォーム開発を行ううえで、UI やメニューなどのバランスをどのように取っていますか? 


Kee 氏:私たちは、統一されたロジックと階層的な表現という理念に基づいて開発を進めています。一貫したユーザー エクスペリエンスを実現するため、すべてのプラットフォームで中核となるビジネス ロジックを共有しています。UI に関しては、画面サイズに応じてレイアウトの密度を動的に調整するアダプティブ システムを構築しました。インタラクションに関しては、各プラットフォームのネイティブのデザイン ルールを厳守しています。目標はシンプルです。プレイヤーがどのデバイスを使用しても、単なる急ごしらえの移植版ではなく、そのプラットフォーム専用に構築されたネイティブな体験のように感じてもらうことです。
UE5 で開発されたゲーム「NTE: Neverness to Everness」でゲームセンターを探索している様式化されたキャラクター。
Courtesy of HOTTA STUDIO
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モバイル版のリリースにおける目標はどのようなものでしたか?また、Unreal Engine はその目標を達成するうえでどのように役立ちましたか? 


Kee 氏:NTE: Neverness to Everness は、超現実的な都市型オープン ワールド RPG です。モバイル版における私たちの目標は明確です。PC 版や PlayStation 5 版の劣化版ではなく、プレイヤーが PC 版や PlayStation 5 版に期待するものと同等の体験を提供することです。ヘテロシティの真髄は、その緻密で重層的な建築、活気に満ちた雰囲気、そして洗練されたライティングにあります。そのいずれにおいても、一切妥協できません。
「NTE: Neverness to Everness」に登場する夜明けの都市の商業地域。
モバイルでキャプチャ
モバイル版における私たちの 2 つの主要目標は次のとおりです。
 
最高レベルのビジュアル パフォーマンス:リアルなダイナミックライティングや影、そして都市環境の活気を、スマートフォンの画面に、真に次世代と感じられるレベルで表現することを目指しています。

パフォーマンスとバッテリー寿命のバランス:プレイヤーは、スマートフォンが熱くなったり、フレーム レートが低下したりすることなく、ヘテロシティのワールドを長時間探索できる必要があります。そのためには、システム全体でエネルギー効率を最適化する必要があります。

これら両方の目標を達成するうえで、UE5 は欠かせません。
 
強力なオープン ワールド エディタ (World Partition):これにより、エンジンの負荷を増大させることなく、ヘテロシティのような高密度で広大な都市環境を管理するための強固な基盤が構築されます。

柔軟なオープン ソース パイプライン:UE5 のモバイル ディファード シェーディング モードとオープン アーキテクチャにより、NTE: Neverness to Everness の特定の要求に合わせて細かくカスタマイズし、最適化することができます。これは、これほど高密度なワールドにおける高帯域幅要件を管理するうえで非常に重要です。

効率的なカリングとシーン管理:ヘテロシティは数万ものメッシュで構成されています。UE5 のオクツリーベースの錐台カリング、クラスタベースのライト カリング、そして GPU 駆動のインスタンス カリングは、モバイル ハードウェアのレンダリング負荷を大幅に軽減し、パフォーマンス目標達成に不可欠です。
 


モバイル向けのゲーム開発において、特に役立った UE の機能はありますか? 


Kee 氏:UE5 は、モバイル ディファード シェーディング、World Partition、PCG、Niagara GPU パーティクル、GPU シーンベースのダイナミック バッチ処理、そして GPU 駆動のインスタンス カリングといった高度な機能を備え、モバイル プラットフォームを強力にサポートしています。これらの技術は、モバイル向けゲーム NTE: Neverness to Everness の開発において、強力な基盤となりました。
「NTE: Neverness to Everness」で高層ビルの窓から外を眺めているキャラクター。<br />
モバイルでキャプチャ

Unreal Engine を使ってクロスプラットフォーム ゲーム、特にモバイル ゲームの開発を検討している他のデベロッパーに役立つヒントがありましたらお願いします。


Kee 氏:UE5 はクロスプラットフォーム開発を強力にサポートしています。UE5 の多くの機能は、さまざまなプラットフォーム固有の要件に対応できるよう、当初から綿密に設計されています。エンジンの頻繁なアップデートにより、以前は PC や PlayStation 5 限定であった技術も、モバイル デバイスで利用可能になるケースが増えています。 

さらに、UE5 では、充実した公式のモバイル向けドキュメントが提供されています。こういったドキュメントは、デベロッパーがクロスプラットフォーム開発に不可欠なツールや技術を迅速に習得し、活用するうえで非常に役立ちます。私たちは、UE5 は多様なプラットフォームで次世代ゲームを開発するのに最適な、優れた商用エンジンであると考えています。
 
 

開発中、UE のドキュメント、Epic Developer Community、Epic Pro Support、Fab などのエコシステムの他のリソースを活用されたのでしょうか? 


Kee 氏:はい、Epic Pro Support のおかげで、エンジンの高度なカスタマイズ中に直面した技術的な課題を解決することができました。Epic のテクニカル エキスパートからは、パフォーマンス最適化に関して非常に貴重なアドバイスをいただき、UE5 の新機能の導入を加速させることができました。
 
 

本日はお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。NTE: Neverness to Everness についてもっと詳しく知りたい場合は、どこで情報を入手できますか?

 
Kee 氏 :公式ウェブサイトをご覧いただくか、公式ソーシャル メディア (X/YouTube/Instagram/TikTok、Facebook) をぜひフォローしてください。ヘテロシティの探索や新しいゲームプレイのデモなど、詳細情報を発信しています。

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